猫のしつけについてcattraining
最近、猫のしつけの相談が増えています。
アニマルコミュニケーションを15年もさせていただいていると、様々な事例とノウハウが蓄積します。
すべてを網羅するのは不可能ですが、代表的な事例と対策をトピックにしてみました。
猫のしつけで困っていらっしゃるみなさまに、
アニマルコミュニケーション的視点からのしつけを知っていただき、
少しでも役立てていただければと思います。
トピック目次
トイレのしつけ
猫はトイレのしつけがしやすい動物ですが、よくトイレを失敗するというご相談が寄せられます。
アニマルコミュニケーションで猫たちに聞いてみると、猫がトイレの失敗をする原因は様々あることがわかります。
おうちの猫さんは、何が原因でしょうか?
その1 病気
尿路結石・膀胱炎等の病気が原因の場合、残尿感があり、何度も少しずつ排泄します。
尿路結石でオシッコが出なくなると、48時間で尿毒症:腎不全となり命を落とします。
何度もふんばっても、オシッコもウンチも出ていないしぐさが見られたら、
一刻も早く、動物病院に行って治療を受けてくださいね。
尿路結石や膀胱炎は、トイレが気に入らなくて、オシッコを我慢したことが原因の場合もあります。
アニマルコミュニケーションで、
体調やトイレの不満を聞いたり、たくさんお水を飲むようお願いしたりすることができます。
下のトピックも参考にしてくださいね。
その2 トイレの場所
部屋の入口等、人の出入りの多い場所、リビングの真ん中、テレビの横等は好みません。
部屋の隅、廊下、あまり使っていない部屋等、静かな落ち着いてできる場所に設置してあげてください。
周りを囲って、視線を遮ってあげるのもいいですよ。
その3 トイレの大きさ
最近の猫は、西洋猫の血が入り、大型化してきています。
本来の日本猫は4㎏くらいですが、最近は5~8kgの猫も珍しくありません。
そうすると、市販のトイレは小さくて使いにくいという子たちがいます。
中には、バスタブをトイレにしてしまう子もいます。
(個人的には、部屋で粗相されるより、風呂場でしてくれた方が、掃除が楽で清潔に保てるのでいいと思いますが^^;)
大型猫用のトイレも市販されていますが、高額ですので、
まずは使い古しのベビーバスや、押し入れ用の衣装ケースを、トイレに代用してみてください。
その4 トイレの砂
猫の砂は、紙の砂、おからの砂、木の砂、鉱物の砂などいろいろありますが、
猫によってそれぞれ好みがあります。
砂を思いっきり掘りたい派
砂に出来るだけ触りたくない派
ウンチは埋めるけどオシッコは埋めない派
によって好む砂の種類が違います。
うちの子はどの砂が好きなのか?色々な砂を試してみてください。
余談ですが、足の裏に挟まったり、くっついたり、中には踏んだ感触が嫌という子もいます。
そういう子にも、対処法はありますので、ご相談くださいね。
その5 トイレのトラウマ
トイレに入るときに大きな音がした、ものが落ちてきた、トイレに閉じ込められた、飼い主にトイレを強要されたなど、
トイレと嫌な記憶が結びついている場合、トイレに入ると嫌な記憶がフラッシュバックし、トイレを避けるようになってしまいます。
アニマルコミュニケーションで、何が嫌だったのか聞き、
記憶を癒し、もうそういう事は起こらないのだと、安心してトイレに入ってもらえるようにお話しできます。
その6 環境変化のストレス
引っ越しした、新しい猫が増えた、大好きなお姉ちゃんが就職で家を出た、
飼い主さん自身が結婚してパートナーと暮らすようになった、人間の赤ちゃんが生まれた、家族が亡くなったなど、
今まで暮らしていた環境がガラッと変わってしまい、猫自身が戸惑っていたり、
「自分だけが知らされていない」と、ウツ状態になっている場合があります。
アニマルコミュニケーションで、今どんな状況になっているかを説明し、
何が起きても愛や絆は変わらないのだと伝えることで、
今の環境に適応していけるようになります。
その7 粗相を問題と思っていない
布団やクッションなど柔らかい素材の上でおしっこをするのが好きな猫もいます。
あまり罪悪感もなく、こっちの方が気持ちいいよーとしちゃっている場合、叱っても伝わらなかったりします。
こういったケースの場合、アニマルコミュニケーションで、
なぜ布団やクッションでしてはいけないか、どうしたらトイレでしてくれるかなどを話し合い、
飼い主さんと意見や要望をすり合わせることが必要になってきます。
その8 多頭飼育のトイレ問題
気に入らない猫、嫌いな猫の使ったトイレではしたくない、
逆に、気の強い猫が全部のトイレを使い、気の弱い猫に使わせない、
使えるトイレがないので粗相してしまうなど、
多頭飼育の場合は、とても問題が起きやすいといえるでしょう。
アニマルコミュニケーションで、
猫同士のお互いどう思っているかを聞き、誤解を解き、関係を修復し、
猫同士が気持ちよく暮らせるようにします。
猫の夜鳴きについて
夜鳴きについては色々考えられる原因があります。代表的な事例を取り上げてみたいと思います。
その1 体力が有り余っている
若い猫に多いのですが、体力が有り余っているので、
元々夜行性ということもあり、夜中覚醒して夜鳴きしてしまいます。
対策としては、
昼間たくさん遊んであげる。
昼寝しないようにさせる。
キャリーに入れて、ドライブ等で外に連れ出す。
など、楽しい刺激を与えて、昼間疲れさせてあげることがいいです。
と同時に、アニマルコミュニケーションで「夜は寝る時間」とお話することで、
夜ぐっすり眠り、夜鳴きをしなくなります。
その2 環境の変化を不安に思っている
夜泣きする前と現在で、環境の変化はなかったでしょうか?
例えば、
引っ越しした。
里子に迎えた。
飼い主の生活リズムが変わった。
部屋の模様替えをした。
新しい家族(人間、ペット含め)が増えた。
など、周りの環境変化に対し、不安な気持ちから夜鳴きしている場合があります。
対策として
元に戻せるものは戻してあげる。
不安な気持ちに寄り添ってあげる。
夜鳴きしている猫に対し「うるさい!」と怒るのではなく
愛でてあげて「不安なんだね。大丈夫だよ」と話しかけてあげる事が大切です。
またアニマルコミュニケーションで、環境が変化した理由を説明してあげることも有効です。
その3 発情期
避妊去勢していない猫は、発情期が来ると夜鳴きします。
これは、生物としての生理現象なので仕方ありません。
避妊去勢することで、発情期の夜鳴きはしなくなります。
甘噛みについて
痛いくらいの甘噛みをする猫は、
お母さん猫や兄弟猫と離れるのが早く、
噛んだら相手が痛いんだという学習をしていないことが多いです。
いつまでもチュッチュッと甘えてくる様子が可愛くて、受け入れてしまいますよね。
そこからだんだん興奮して甘噛み、血が出るほどの本気噛みに進んでいきます。
そのときに「キャーーーやめてーーー」と大声を出すと、ますます興奮させてしまいます。
歯が当たったら、低い声で「痛い!」と言い、しばらくは無視してください。
噛まれるのは嫌だと態度で伝えましょう。
お母さん猫は子離れ乳離れの時に、子猫を思いっきり突き離しますよ。
アニマルコミュニケーションで
猫に、どうして人を噛んではいけないかを説明し、やめるよう伝えることができます。
新しい猫を迎えるときには…
ある日突然、別の猫が自分の家(縄張り)にやってきた!
これはほとんどの猫にとって脅威です。
縄張りを守ろうとする本能から、相手を攻撃して排除しようとします。
攻撃されたほうも、応戦するか、相手を苦手・嫌いになります。
こんな不幸な出会い方をしてしまうと、顔を合わせると流血沙汰、それぞれ別々の部屋で暮らさなければならないなんてことになり、
「こんなはずではなかった」と嘆く飼い主さんの声をたくさん聞いてきました。
ほとんどの猫は、一度、「嫌い」「苦手」認定した相手と仲直りすることは難しいのです。
お互いに、怖がらせない、嫌いにさせない、苦手にさせないように、
人間が間に立ち、調整する必要があります。
猫同士の顔合わせは、慎重にステップを踏んで行ってください。
以下のステップをご参考に…。
ステップ1
お互いに姿はみえないが、気配を感じる状態にします。
新しい猫は別の部屋に隔離します。
隔離する部屋がない場合は、三段ケージに隔離。三段ケージの中にトイレ、ごはん、ベッドを用意しましょう。
すっぽりと布をかぶせるといいです。
ステップ2
お互いのニオイや声、音に慣れさせます。姿はチラッとみせるようにしましょう。
隔離部屋のドアを開けますが、100均のネットなどでドアサイズの柵を作り、行き来できないようにします。
三段ケージの場合は、布を一部ずらして、なんとなく中の様子がわかるようにします。
※どちらかが怖がっていたり、威嚇したりしたら、すぐにステップを前に戻しましょう。
怖がらせない、威嚇させないようにゆっくり時間をかける事がたいせつです。
ステップ3
まだ直接は出会わせません。すべて柵越し、ケージ越しに行います。
お互いに、柵越しに姿をみせたり、ニオイを嗅がせたりさせます。
飼い主さんが、それぞれの猫と仲良くしている様子をみせましょう。
飼い主さんのカラダについた猫のニオイを嗅がせましょう。
それぞれの猫砂を、ひとつかみずつ交換します。
ステップ4
柵越し、ケージ越しでお互いの存在に慣れたら、
いよいよ、部屋の柵を開け、ケージのドアを開けっぱなしにします。
ここで、猫達から決して目を離さないこと。
見守れないときやお留守番のときには、部屋に戻します。
まだ猫達だけにしないでください。
新入り猫は、部屋から出たり入ったりしながら、行動範囲を広げていきます。
先住猫の表情、行動を見守ります。
どちらかが攻撃的な声をあげたり、威嚇し怒っている様子なら、
無理せず部屋またはケージに戻します。
ケンカしたって仲直りするんじゃないか?もう一緒にしても大丈夫じゃないか?と無責任な家族が言ったりしますが(笑)、
ここでケンカをさせてしまったら元も子もありません。
仲直りは非常に難しくなります。
もう少しだけ、がんばりましょう。
柵越し、ケージ越しで、挨拶できるくらいになるまで、充分、時間をかけましょう。
ステップ5
柵を取り払い、一緒にします。
引き続き、猫達の表情、行動、しぐさを観察してくださいね。
各ステップは最低1週間
ステップ1~4はそれぞれ1週間以上かけます。最短で1ヶ月ですね。
我が家は3ヶ月かけました。
そんなに?と思われるかもしれませんが、
今、猫の寿命は15~20年です。
これから先の長い時間、仲違いしたままの猫達と暮らしていくのは、
人も猫も辛いものがあります。
これから先を見据えて、じっくり関係を育てていきましょう。
アニマルコミュニケーションで、
先住猫さんと新入り猫さんそれぞれに、これから一緒に暮らすことをお話しておくとスムーズですよ。
まとめとして
それぞれのケースは、これで必ず解決するという答えがあるわけではありません。
原因はひとつではなく、トピックで取り上げたような原因が、いくつも複雑に絡み合っている場合が多いのです。
また、その猫のこれまでの生育環境にも大きく影響されます。
そのひとつひとつに、飼い主さんが愛情をもって猫と向き合っていくことが大切です。
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